≪合同会社設立≫
合同会社の概要及び特徴
現在私は介護事業、障害者自立支援事業に関する分野に特化したく、そのような事業を行っている会社の法務相談等を受けているのですが、事業立ち上げの際、どういった法人形態にするのがよいか?というご相談を頂くことがございます。その際お勧めしているものに、「合同会社」というものがあります。このページではその「合同会社」についてお伝えしたいと思います。
訪問介護や通所介護などの介護保険事業を行うには法人格が必要になります。
しかし、実際は役員も出資する方もお一人かお二人等少人数で始める方が多いのが現状のようです。
そのような場合、株式会社として法人を設立するというのが一般的かと思いますが、合同会社として始めることもご検討してはいかがでしょうか?
1.合同会社とは
合同会社とは、平成18年5月1日施行の会社法により新しく設けられた会社形態です。それ以前の会社組織は下記のとおり4種類ありました。
商法に規定 ⇒ 株式会社・合名会社・合資会社
有限会社法に規定 ⇒ 有限会社
それに対して新会社法では、旧来の株式会社および有限会社を統合した株式会社と、合名会社・合資会社および新設の合同会社を包含する持分会社という2種類の会社類型が認められるようになりました。
社員1名から設立が可能・全員が有限責任・設立に際する諸費用が安い・最低資本金の規定がないという点から、有限会社に変わる法人形態として、会社法改正より年間平均5,000社~6,000社が新たに設立され、2009年初頭には18,000社が登記されています。
さらに法人も社員になれるところから、企業間での共同事業・大学と企業の共同研究の場(いわゆる産学協同)・プロジェクト事業・ベンチャー事業などに際しても数多く設立され、今後、個人レベルから企業レベルまで、ますます設立件数は増加する見通しです。
アメリカ合衆国各州の州法で認められるLLC(Limited Liability Company)をモデルとして導入されたもので、日本版LLCともいわれています。
ただし、アメリカにおいてLLCが数多く設立されるようになった大きな理由の一つであるパス・スルー課税(法人の所得ではなく、出資者の所得への課税)は、日本では現在のところ認められていないのが現状であります。
類似の制度で、パス・スルー課税ができるものとして「有限責任事業組合」(日本版LLP)があります。
2.合同会社の特徴
社員の個性が重視される持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の中でも、合同会社は、出資社員の全員が有限責任社員であり、従来の持分会社の考えからすれば、この点が大きなメリットといえます(合名・合資会社が無限責任社員を要します)。また、合同会社(LLC)は配当や経営権についても自由にルールを作ることができます。
株式会社では、出資割合に応じた利益配当しかできませんが、合同会社(LLC)では自由に出資・経営権・配当の割合を決めることができます。
3.最後に
合同会社、合名会社や合資会社の「持分会社」の中でも、合同会社は、有限責任社員のみで構成される唯一の会社形態であります。現状では、合資会社・合名会社は設立件数が減少し、持分会社の中では合同会社が一番設立件数が多く、今後においても、設立件数及び社会的知名度も年々増加傾向にあると言えるでしょう。
新たに法人の設立をご検討の際は、株式会社以外にも選択する法人形態がございますので、どのような法人形態にするのがご自身にとって一番適しているのか、ぜひご検討頂ければと思います。


