≪NPO法人設立≫
1.NPO法人とは
NPO法人は社団法人の一種であり、NPO法に基づいて都道府県または内閣府の認証を受けて設立された法人のことをいいます。
NPO法は正式には「特定非営利活動促進法」という名称の法律で、NPO法人も正式には「特定非営利活動法人」といいます。
「特定非営利活動」とは、
- 法が定める17種類の分野に当てはまるものであって、
- 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動のこと
簡単にいうと「広く社会一般の利益のための活動」ということになり、「特定」という文字が入っているのは、活動の分野が17種類に限られているからです。
利益を目的とする団体には株式会社、有限会社などの会社という形態があります。資本金を集めて事業をし、儲かった分を株主など出資者で分配する、というやり方です。「非営利」とはこのような利益の分配をしないという意味です。
NPO法では余ったお金を社員で分けてはいけない、と規定されています。つまりこれを守っていれば、事業収入を得てもいいし、職員が給料をもらってもいいのです。
2.開業資金
NPO法人は会社と違い、資本金というものがありません。もちろん全く資金がなくては何もできませんが、会社のようにまとまった資金は必要ありません。NPO法人なら、設立時の財産を0円からスタートすることもできます。
これはNPO法人のメリットであり、大きな特長となっています。株式会社などとはそもそもの事業の目的が違いますから単純な比較はできないのですが、費用という点ではNPO法人は大変経済的です。
| 株式会社 | NPO法人 | |
|---|---|---|
| 資金 | 1円以上 | 0円でも可 |
| 定款印紙代 | 4万円 | 不要(0円) |
| 定款認証手数料 | 5万円 | 不要(0円) |
| 定款謄本証明料 | 1500円位 | 不要(0円) |
| 登録免許税 | 15万円 | 不要(0円) |
| 費用合計 | 最低24万円 | 0円 |
3.要件
要件は次の通りです。
- 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
- 営利を目的としないこと
- 社員の資格の得喪に関して、不当な条件をつけないこと
- 役員のうち、報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
- 宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと。
- 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと
- 暴力団又は暴力団の構成員等の統制の下にある団体でないこと
- 10人以上の社員を有するものであること
結論として、どのような非営利活動を行うかが決まっており、あるいは集まったあとで決めて最低10人の社員(賛同者)を集めれば申請可能といえます。役員は理事が3人以上、監事が1人以上必要です。
NPO法人は社団、つまりある目的をもった人の集まりの一種類ですから、その目的と人が法にかなったものであれば十分です。
もちろんNPO法特有の要件がありますが、これは挙げられているルールを守ればいいだけの話ですから難しいことではありません。逆にいえばこれらをクリアすれば、国家資格もボランティアの実務経験も必要ありません。
4.17種類の活動分野
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
活動の内容が17種類に限定されているといっても、何か社会活動をしようとすればこの中のどれかにあてはまるものですので、ご心配ありません。
5.収益事業について
要件1に「特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること」というのがありました。じつはNPO法人は「特定非営利活動」という主たる活動のほかに、「その他の事業」というものをやることができます。
要するに、儲かる事業をやっていいということなのです。資金が豊富にあるとか、本来事業だけで相応な収入がある場合は別として、それ以外のNPOは何らかの方法で資金を得なければ活動どころではないですよね。
そのため、不足した資金を稼ぐために「その他の事業」として収益事業ができるようになっているわけです。たとえば老人福祉の介護事業を目的としているNPO法人がバザーをやったり、作った野菜を売って利益を上げてもいいということなのです。NPOを単なるボランティア法人と思っていた人にとっては大変意外に感じられることでしょう。
ただし、
- 「その他の事業」(収益事業)で得た収益は全額本来の事業のほうに入れなければならない。
- 儲けの事業はあくまでも本来事業をやるための活動のため、それがメインになってはいけない(その他の事業の支出額は総支出額の2分の1以下)。
という規制もあります。
6.設立決定後の準備
NPO法人の設立までには本当に時間がかかります。作った書類を役所に出してから4ヶ月以上かかるのが通常です。東京都などは申請の数が多く、申請の書類を受け付けてもらうのさえ1ヶ月以上かかります。設立は準備をはじめて半年くらい先とみておいたほうがいいでしょう。
設立を決めたら、まず認証申請の書類を作るのに集中しましょう。その後の登記とか税務署の手続などは認証の申請後にゆっくり準備すればいいからです。
当事務所では認証申請の作成・届出から登記・税務署の届け出まですべてサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。


